アメリカ社会の転職 副業事情について、羨ましい反面 非常に厳しい世界だと感じた話

出張で米国の会社に出入りしていた頃の話です。

業務においても、アフター5においても様々な人と交流することがありました。
仕事においては、「残業をしない」、「聞かないと教えてくれない」、「上下関係はあるけど、意見ははっきり言う」という、私の持っていたアメリカの会社のイメージに近かったです。

プライベートにおいては、日本人と比較して、やはり気さくな人が多いような印象でした。
散歩中や買い物中に話しかけられるようなこともありました。
日本では、初対面の人に話しかけることはなかなかないですよね。

しかし、気さくなように見えて、結構気疲れしている人も多いという話も聞いたので、意外と無理している人が多いのかもしれません。
アメリカでは、日本以上に社交性を求められますから、国民の気質に加えて、社会からの見えない要求が強いことも考えられます。
「内向型を強みにする」という本を依然読んだことがありますが、著者はアメリカ人でした。
この本には、アメリカにも多くの内向的な人間がいることと、その人たちが社会の外向的要求に対してどう向き合うべきかが書かれています。
その本を読んでからは、少し外国人を見る目が変わりました。

今回はそんなアメリカ長期出張で感じた、アメリカでの働き方、特に転職や副業に焦点を当てて、私が感じたことを書きたいと思います。

アメリカ社会での転職について

まずは転職ですが、これは当たり前のように、頻繁にあります。
元々海外の働き方といえば、転職でキャリアを積んでいくことは前提で、一社にだけ勤める終身雇用が一般的である日本とはかなり対照的な社会であるという情報は持っていました。
しかし、それでも身近な体験というのは、それをリアルに感じさせてくれるものでした。
代表的なものを3つ、今回は紹介します。

辞めるのはあっという間

まずは、転職で職場を辞められた人の話です。
この方は出張中にとてもお世話になった方で、業務の進め方について確認すると丁寧に教えてくれ、また、会議などでもどんどんと自分の意見を発信している姿が印象的でした。
業務にも少し慣れたころのことです。
私はその長期出張期間に、2週間ほど、別の出張で事務所を抜けていたことがありました。
そして、その出張から元の事務所に戻った時には、その方は辞めていたのです。
話を聞くと、さらにチャレンジしたいという事で、転職のために退職されたようです。
2週間前に退職の意向を示せば良いらしく、その場合は本当に2週間で辞められるそうです。

採用するのもあっという間

次の話ですが、先ほどの件で部署に欠員が出たため、当然業務が過密になりました。
しかし、その数日後にはすぐに新しい人員が採用され、業務を始めていました。
当然、まずは業務内容を教えてもらいながら業務にあたっていましたが、会社の対応の早さに感心しましたね。
会社側も急な欠員を想定しており、求人は時期に関わらず常に出していて、それに対する応募も常にあるようです。
日本の環境を考えてみると、業務の引継ぎや次の人員が確保できるまでといった条件で、何とか説得して退職を先延ばしにしているような実情を目にしたり耳にしたりしているので、非常に新鮮でした。

ジョブリターンは一般的?

最後の話ですが、私の出張先の事務所では、一度転職した後、また戻って働いている方もおられました。
そのあたりも比較的厳しくないようです。
日本では、職場をやめるというのは程度の差はありますが、迷惑をかけるという風潮がありますが、アメリカはオープンな感じがしましたね。
ジョブホッパーという言葉がありますが、日本では採用において転職回数が多いことは不利になりますが、アメリカではそんなこともないのかもしれません。
転職回数よりも、何をやってきたか、という事の方が大事な印象ですね。
普通に考えると当たり前なんですけどね。

日本のように終身雇用が「普通」という社会では、会社を辞めるという事は一大事だと捉えられます。
少し脱線しますが、外から転職してきた人間は管理職になれない、というような暗黙のルールがあるような会社も日本には多いですね。

アメリカ社会での副業について


アメリカ出張中に、アメリカの労働環境について転職と共に私が感じたことは、副業に対する寛容さです。
私が働いていた事務所だけで、2割近い方が副業をされていました。
話を聞いていない方も含めるともっと多いかもしれません。
ジムのインストラクターであったり、レストランでウェイターをされていたり、内容は様々ですが、週末や、アフター5に活動されている方は多かったです。
チームのリーダーでも、普通に副業していましたね。
周りのメンバーもそれを当然のように受け入れていました。

日本でも働き方改革の名のもと、残業の削減と副業の推奨という方向性が示されつつありますが、正直今の業務量と、終身雇用制度が身に沁みついている世代の多さを考えると難しいですね。
もう少し世代の循環が必要だと思います。

アメリカの働き方 良い?悪い?

さて、これらの話を聞いた方はどう思ったでしょうか?
先進的で素晴らしい。
残業がない働き方は羨ましい。
転職でキャリア形成できるのであれば、自分も挑戦したい。
そんな考えを私は持ちました。

しかし、ある程度の期間働いてみると、非常に厳しい社会であるという一面も見えてきました。
それは、過酷な実力社会という一面です。

残業がない?

残業がないのは非常に良いことですが、逆に残業をすると評価が下がります。
会社が出来ると見込んで与えた業務を終わらせることが出来ず、会社に無駄な支出(人件費)を負わせているとして本人とリーダーの評価が下がります。
なので、本当の意味での実力勝負です。
決められた時間に決められたことを完了させる、という一見当たり前に感じる部分が非常にシビアです。
能力が見合わないとわかれば、解雇されることも普通にあります。
これが、アメリカ人が自分の仕事以外のことをやらない理由の一つではないかなと、私は考えています。
自分の成果を出すことに集中しているのではないか、という事です。
個人レベルでの競争が当たり前のように行われているのです。

これが日本になると、やはりまだ残業信仰というのはあるように見受けられます。
毎日遅くまで頑張っている人は仕事が出来て偉い、まだ残っている人がいるのに定時で帰る人はけしからん、という考え方です。
実際には日本の風土、業務内容などが影響するので、一概に比較はできませんが、大きく違う部分ですね。
更に、日本では長く終身雇用が普通と考えられているため、競争も起こりづらくなっています。
別に自分が頑張らなくてもクビになりませんからね。
適当に残業をして給料を稼げればよいわけです。
その人がどれだけ頑張るかは、その人の労働に対する信念に委ねられてしまいます。

転職がしやすい?

転職においても、この延長線上に考えることが出来ます。
入ってくる人間がいるという事は、いつ自分のポジションが無くなるかわからないという事です。
自分よりスキルのある人が入ってきた場合に解雇される可能性もあります。
なので、アメリカでキャリアを積もうとすると、今いる職場で絶対的な地位を手に入れるか、それが難しければ自分の能力を発揮できる違う場所を探さなければいけません。

こういったことを考えると、やはりアメリカは実力社会であり、そこでキャリアを形成していくのは非常に厳しい競争に勝っていく必要があるという事が考えられます。
単純比較はできませんが、今の日本というのは以上と比べると恵まれた環境であると感じます。
新卒で入社し、社会人の基礎から教育してもらい、下積みを経てその会社で出世していく、といった高度経済成長時のモデルがあり、守られている感が半端ではありません。
まじめ気質な日本人が取り組むのですから、このモデルは上手くハマっているのかもしれません。
残業も、日本人の美意識にマッチしていると思います。
しかし、これは今現在を考えた場合であり、今後の新世代の価値観やグローバル社会への対応力などを考慮すると非常に不安要素が大きいようにも思えます。

まとめ 私はどうしたいか

私がどうかといえば、実力勝負の世界でどれだけやれるか、挑戦してみたいという気持ちがある反面、やはり安定志向で保守的な部分は否めないので、やはり日本的ですね。

ブラック企業という言葉が一般化して久しいですが、「ちゃんと給料が支払われる」「業務内容に社会的な意味がある」「自身の経験値として満足できる仕事がある」という条件がそろっているのであれば、その場所で努力して自分の市場価値を高めておき、挑戦したいときに挑戦できる土台作りをしておくのが、今の日本社会におけるサラリーマンの間違いのない立ち回りだと感じます。

以上長くなりましたが、アメリカ社会の転職、副業について私が感じたことの紹介でした。

岸ユメジ

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